本研究により、3 ヶ月間という比較的短期間の減量期間でメタボリックシンドロームを改善するため には、体重の 8～13%の減量が必要であることが明らかになりました。 これは、体重 70kg であれば 6 ～9kg の減量に相当します。

肥満症の治療目的は、減量によって肥満に伴う健康障害を予防・改善することにあります。 治療や指導を開始するにあたり設定される減量目標は､肥満症の場合は3~6ヵ月で現体重の3%以上であり､高度肥満症の場合は合併疾患の病態改善のために必要な減量目標 (現体重の5~10%) を個々の患者で設定します^[1][2]｡

日本肥満学会では,肥満症の減量目標を現体重から3% 以上,高度肥満症においては 5~10%以上にそれぞれ設 定している。

高度肥満症の食事療法では、20~25kcal×目標体重 (kg) 以下を目安に1日の摂取エネルギー量を算定し、現在の体重から5~10%の減少を目指します。 1食をフォーミュラ食に置き換える部分利用法により、肥満者の減量、血圧低下、HbA1c低下、心血管疾患危険因子の改善が得られたとの報告があります。